先日の記事で、犬が特定の行動を止めたブレイクの瞬間を捉えて強化して、おとなしくしている行動を定着させていく…というトレーニングについてお話しにしました。
この方法は、人間が犬にしてほしくないと考えている行動を止めさせたい場合に有効なトレーニングになります。
例えば、『吠えを止めさせたい』とか『飛び付きさせたくない』といったケースで、犬が吠えや飛び付きをしていない瞬間にご褒美を与えて褒めて、徐々に吠えや飛び付きといった(人間側から見た)犬の問題行動を減らしていく…というものです。
効果が出るまでに少し時間は掛かるかもしれませんが、安全で結果を出しやすいトレーニング方法ということを先日の記事でお伝えしたと思います。
ということで今回は、犬が作り出すブレイク(間)を利用するのではなく、人がブレイク(間)を作り出す犬のトレーニング方法についてお話したいと思います。
人が間を作って、それを犬に感じ取らせるトレーニング方法です。
このトレーニングは、犬にマテ(Stay)を教えていくときに有効な方法となります。
マテを教えられていない犬は、人間に『マテ!』と言われて動かずにじっとしていることが人間にとって都合の良いことだとは夢にも思っていません。
そして、待つという動作が犬にとって得のあることでなければ、当然のことですがすぐに動き出してしまいます。
なので、最初は一秒でも待てたら犬にご褒美を与えて褒めてあげます。
1秒間じっと待つとご褒美がもらえるので、犬は喜んで1秒間動かずに待つようになります。
そして、この1秒間待つという行動が定着していきます。
定着したら、今度は犬を待たせる時間を長くしていきます。
犬を待たせる時間を2秒、5秒、10秒…と長くしていきます。
この犬を待たせている時間が、人が作り出すブレイク(間)となります。
「人が何もしていない」と犬が感じる間を作り出して、その間は犬をしっかりと待たせるようにします。
ただ、犬を待たせる間の取り方には注意が必要です。
下の動画を見ていただくと何となくわかると思うのですが…
上の動画では、犬を待たせる間が5秒、15秒、21秒、2秒、10秒、8秒…とランダムに長くなったり短くなったりしていたと思います。
この間の取り方が、このトレーニングの肝となります。
犬を待たせる間を5秒、次は10秒、次は15秒…と徐々に延ばしていけばいいような気がしますが、単純に時間を少しずつ延ばしていくと意外と犬は集中力が落ちて失敗しやすくなります。
人間もそうだと思いますが、単調な物事に対しては飽きて集中力が低下します。
更に、どんどん待つ時間が単純に延びていくと、犬にしてみたら「えー、待つ時間ってどこまで長くるのー?」という気分になってきてやる気が落ちてしまうのです。
でも、待つ時間が長くなったり短くなったりすると、「次は来るかなー? ご褒美もらえるかなー?」という期待感が高まって犬の集中力とモチベーションが上がるのです!
トレーニングもやり方一つで集中力が上がったり下がったり…面白いものですね。
人間も犬も、予測や先読みができないギャンブル的な要素があるものには集中力が高まるのかもしれません(笑)
『犬を飽きさせない』
犬のトレーニングにとって、これはとても大切なことです。
そして、家の中でしっかりトレーニングをして1分間待てるようになったら…
同じトレーニングを公園等、外でやってみます。
家の中でできることでも、環境が変わるとできなくなってしまうことって多いですよね。
せっかく家の中でできるようになったことは、外でもしっかりできるようにトレーニングして
わんちゃんとの生活の中で使えるようにしていきましょう。
マテ(Stay)はたくさんの場面で使うことができる便利なコマンドです。
しっかりトレーニングして、わんちゃんと一緒にモノにしましょう!!
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