2014年8月24日日曜日

飼いやすい犬種


「初めて犬を迎える飼い主さんのためのしつけ」の本やホームページには、よくこんなことが書かれているのを目にします。

「○○は初めての犬を飼う人にも飼いやすい犬です」

犬のことをよく知らない人がそんな文章を読んでしまうと、「ああ、この犬種は誰にでも簡単に飼えるのか」と思ってしまうことも少なくないのではないかと思います。
僕も犬を飼う前は、そういった文章を額面どおりに受け取っていました。

でも、実際に犬を迎えると正しい答えがわかります。

「いいえ、そんな犬はいません」


どの生き物もペットとして自宅で飼おうとすれば、世話に手が掛かって大変です。
それは犬に限ったことではないと思います。
ただ、犬はとても賢い生き物で、感情表現が豊かです。
そして、犬は常に飼い主と一緒に何かをしたがります。
それはなぜかというと、犬は自然の生き物ではなくて人間が作り出したものだからです。
犬は、人間が自分たちの仕事を手伝わせるために、人間の指示を理解してそれを忠実にこなしてくれるように、それを目的として品種改良を重ねた上で人間が作り出したものなのです。
犬種によってそのアビリティは異なりますが、犬は何か知らの形で常に人間との繋がりを持ちたがり、常に一緒に何かせずにはいられない生き物なのです。
食べ物とおもちゃを与えておけば後は勝手にどうにかしてくれるかというと…思っている以上に勝手にどうにもしてくれません。
虫や魚と違って、犬は鑑賞のみには全く向かないペットです。

逆に「一般の人が飼うことは難しい犬種」はいると思います。
でも、「飼いやすい犬」はいません。どこにも…
自分の趣味が二つ三つは普通に消えていくくらい、犬を飼うということは大変なことなのです。


それと、犬の初心者向けの本やサイトには、よくこういった『犬種特有の性格』の性格が記載されています。

・とても賢い犬です
 ⇒どんなことでもすぐに覚えます。
・他の犬とも仲良くできます。
 ⇒わんちゃん同士で上手に遊ぶことができます。
・家族思いな犬種です。
 ⇒飼い主さんと一緒に過ごす時間が大好きです。
・勇敢な面もあります
 ⇒家族を危険から守ろうとします。

これだけを読むと、その犬を是非飼ってみたい!という気持ちになります。
で、仮に上記の記載が正しかったとします。仮にです(笑)
でも、物事には必ず最低でも二つの側面があります。
ということで、上記の犬種の性格を逆側から見てみます。

・とても賢い犬です
 ⇒常に飼い主の様子を窺い、人間の裏をかく行動(いたずら等)を取ります
・他の犬とも仲良くできます。
 ⇒他の犬との遊びに夢中になり、飼い主が呼び戻せなくなります。
・家族思いな犬種です
 ⇒飼い主に対して異常に執着して、少しでも姿が見えなくなると吠え続けます。
・勇敢な面もあります
 ⇒散歩中にすれ違うすべての人・犬・車両に対して吠え掛かります。

初心者向けしつけ本やしつけサイトには、[賢い=良いこと][勇敢=良いこと]のように書かれていますが、決してそうではないということを犬を迎える前に知ってもらいたいと思っています。
その犬が賢いことが飼い主にとってよいことになるのかどうかは、すべて飼い主さん次第ということになります。
そのためには多くの時間と手間を費やす必要があります。
残念ながら、放っておいて勝手に犬がそうなっていくことは滅多にありません。


これから初めて犬を迎えようとされている皆さん、どうかこの「飼いやすい犬」という表現に翻弄されないようにお気をつけください。
僕は、この「飼いやすい犬」という表現をこの世からなくしたいと考えています。

そして、犬が「人と一緒に何かをせずにはいられない生き物」であるように、(犬を飼い始めたすべての)人間は「犬とずっと一緒に過ごさずにはいられない生き物」であってほしい…そう願っています。

犬を迎える前に、まず犬という生き物を理解するところからスタートすることが大切だと思います。
犬も人間と同じ感情を持った生き物、できれば好きなことだけをして自由に暮らしたいと思っているのです。
でも、本能の赴くままに犬に好き勝手なことをされて困るのなら、それは人間が優しく教えてある必要があります。
だから、手が掛かるのです。
だから、飼いやすい犬なんていないのです。
でも…だからこそ犬は愛おしい家族となり得る動物なのです。


すみません、本文の内容と画像の犬はまったく関係ありません。
いつもエマの画像ばかりだと飽きられてしまいそうなので…(笑)、今回は実家の近所の仲の良いお宅で飼われていたわんちゃんの画像を使わせてもらいました。
ルックスは柴ですが、サイズは秋田です。
そして、名前は『チビ』です(笑)
栃木の山奥に捨てられていた仔犬がこんなにでっかくなって15年以上生きました。
所謂『ミックス犬』ですが、美しくて『賢い』良い犬でした。

それもこれも飼い主さんの愛情があってこそ…ですね。



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