2014年9月8日月曜日

犬の行動の般化


二週間ほど前の記事で、簡単な犬のトリックについてお話ししました。
『飼い主さんとわんちゃんが一緒に何かをすることはとても大切で、それによって絆が生まれますよ』といった内容をその記事に書かせてもらったと思います。

その犬のトリックですが、家の中で練習して「もう完璧!」というくらいできるようになると、愛犬が習得した技を披露してみたくなりますよね。
公園やドッグランで仲の良い飼い主さん達から「ちょっとやって見せてー」なんて言われたりして…

で、「何度も練習して100パーセントできるようになった技を見せてやる!」と、勢い込んでコマンドを出したけど、犬がポカーン…とした顔してフリーズ…結局、何もできなかった…なんて経験をされた飼い主さんも多いのではないかと思います。

これはなぜか…
なぜかと言うと、『般化』ができていないから…ということになります。

『般化』とは何かというと、これは心理学用語で…えーと、僕は心理カウンセラーではないので詳細な説明は省きます(笑)
わかりやすく平たく言うと、般化とは『いつでもどこでも誰とでもその行動をできるようにすること』を言います。


これは犬に限ったことではなく、人間にも同じ事が言えます。

例えば、ピアノの発表会を例に考えてみます。
普段、自宅の練習では何の問題もなくノーミスで弾ける曲があったとします。
でも、その曲を発表会で弾くとなったら…いつもと違う場所、いつもと違うピアノ、たくさんのオーディエンス…と、いつもとは違う環境でその曲を弾かないといけなくなります。
すると、途端にプレッシャーが圧し掛かってきて、自宅での練習では絶対間違えないような箇所でミスタッチ…といった事が起きるわけです。
これも前述した犬がいつもと違う環境でトリックをできなかったことと同じで、『その行動が繁華で着ていなかったから失敗した』ということになります。

じゃあその行動を般化させるにはどうしたらよいか…
これはもう『様々な環境下でその行動を繰り返し行う(トレーニングする)こと』が一番です。

下の動画は、先日の記事に乗せた動画でエマが家の中でやっていた『スピン』『ターン』『アラウンド』の一連の動作を、近所の公園で練習している時の様子です。


家の中ではしっかりと『スピン』『ターン』『アラウンド』ができるエマでも、やはり最初は全然できませんでした。
ぽかーん…状態で(笑)
でも、何度か公園で練習するうちに、家の外の刺激が多い場所でも家の中と同じようにその行動ができるようになってきます。
これが『般化』です。

で、この動画ですが、どちらかというとエマよりも僕がダメです(^_^;
エマは『ターン』の回転が苦手なので、『失敗させたくない!』という思いが出すぎてしまって、僕の声が必要以上に強く力んでしまっています。
僕がエマの『ターン』を信用し切れていないということになります。

こういった人間の緊張や強い思いも犬には伝わりやすいので、トリックに関しては犬の般化と同時に飼い主さん本人の般化も必要になります。
人間の緊張で犬をフリーズさせたくないですものね(笑)
まずは、大きな声でしっかりと犬に伝わるようにコマンドを出してあげる事が大切です。
『周りの目を気にしない』、これがポイントです!


今回の記事では、トリックを例にして般化のお話しをしましたが、これは『オスワリ』、『フセ』、『マテ』でも同じことです。
家の中でできるようになっても、どこでもできるようにしておかないと、必要な場面で実践する事ができません。

家の中でできるようになった行動は、少しずつ刺激の高い場所で練習してみてください。
まずは玄関で、それができたら玄関先、それができたら家の前の道、次に人の少ない公園、その次に人多い公園…と、どんどんレベルアップして、その行動を般化していってみてください。


『いつでもどこでも誰とでも』

犬に教える行動については、すべてこれが最終目標となります。


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