2014年11月7日金曜日

犬とのアイコンタクト


本来であれば、『これ』について一番最初に説明しないといけなかったのですが…
『これ』というのは…


そうです、『これ』です。
他の犬のトレーニング関連記事とテレコになってしまいましたが、今回の記事では、人と犬の『アイコンタクト』についてお話ししたい思います。

アイコンタクトというのは、その名の通り、目と目で情報交換をすることです。
視線と視線を合わせて、意思の疎通を図る行動のことをアイコンタクトと呼びます。

このアイコンタクトを犬に教えることによって、飼い主さんは大きなメリットを得ることができます。
いつでも犬とアイコンタクトを取れるようにしておけば、人は常に犬の集中を自分に向けることができるので、犬をコントロールしやすくなります。
アイコンタクトをできるように犬をトレーニングしておけば、オスワリやフセなどの犬の行動の精度も格段に上がります。
そして、犬が常に飼い主に対してアイコンタクトを取ってくるようになれば、もう犬を無理にコントロールする必要はなくなるのです。
そこまでアイコンタクトを極めた犬と一緒にいると、逆に人が犬にコントロールされているような気分になってきます(笑)

なので、まずオスワリやフセよりも先に、このアイコンタクトを犬に教えたほうが良いと僕は考えています。

ただ、犬をはじめとする多くの動物たちは、他の生き物と目を合わせることを苦手としています。
なぜならば、目と目が合うことは、争いの始まりを意味するからです。
そのような理由から、このアイコンタクトという行動を自然には覚えてくれない犬もたくさんいます。

人間でも、「目を見たり見られたりするのは苦手…」という人はたくさんいますよね。
僕も苦手です(笑)
そして、エマもそうでした。
人の目を全く見ない子でした。
そんな『人と視線を合わせることが苦手』な犬には、トレーニングでアイコンタクトの行動を教えていってあげます。

「人と視線を合わせることは怖いことではなくて、良い事が起きる合図なんだよ」
楽しくトレーニングをしながら、それを犬に覚えてもらいます。


まずは、おやつやおもちゃを使って、犬に人と目線を合わせることに慣れさせていきます。


おやつやおもちゃを自分と犬の目線の間に入れて、犬の名前を呼びます。
そして、犬にご褒美を与えます。
このトレーニングによって、人と視線を合わせることに犬を慣らしていきます。

この後の段階のトレーニング方法は色々とあるのですが、徐々におもちゃやおやつを使わないようにしながら、「人に名前を呼ばれたら、人と視線を合わせる」ということを、トレーニングによって犬に教えていきます。

最終的には、犬が人に注目していないときに名前を呼んで、視線を合わせてくるようにトレーニングして行きます。



単体で見ると、アイコンタクトはとても地味な行動に見えますが、他のコマンドと組み合わせることによって大きなメリットを生み出してくれます。
オスワリやフセのコマンドを出す前にアイコンタクトを取っておけば、ほぼ確実にその行動を引き出すことができます。
散歩のヒールウォーク中に人から離れそうになったときも、名前を呼んでアイコンタクトを取れば、犬の進路を修正することが容易になります。
また、以前の記事で触れた呼び戻しのように、「アイコンタクトを取れることが前提」となるコマンドも存在します。

以前の記事でも同じようなことを書いた気がしますが、派手なトリックを教えるよりも、まずアイコンタクトを教えたほうが犬との信頼関係を築きやすくなります。
その上でトリックを教えたほうが、結果的に近道になるのではないかと、僕は考えています。

何度も犬と視線をあわせることによって作られる強い絆、多くの飼い主さんにそれを感じてもらえれば…と思っています。


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