2014年11月24日月曜日

【DT009-01】 黒ラブさんとヒールウォークのトレーニング


この近所は頻繁にクルマで通るのですが…


こんなにきれいな広場ができているとは知りませんでした。

今日は市内にあるこの広場で、黒ラブさんのトレーニングをさせて頂きました。
残念ながら、黒ラブさんの画像はありません<(_ _)>
撮らせて頂くのをすっかり忘れて帰ってきてしまいました(^_^;


今日、トレーニングさせてもらったFくんは、飼い主さんが保護したラブラドール・レトリバーで、年齢は10歳を超えているとの事。
でも、まだまだ若々しくて元気一杯!なかわいい黒ラブさんでした。
Fくんは素直で良い子なので、飼い主さんがFくん行動でものすごく困る…ということはないそうなのですが、散歩中の引っ張りや地面のにおい嗅ぎで困ることがあるということだったので、ヒールウォーク(脚側歩行)のトレーニング方法についてアドバイスをさせて頂きました。

日本でも多くの家庭で飼われているラブラドール・レトリーバー、元々は魚網や魚の運搬、鳥獣狩猟のために作られた犬種ですが、現在では、災害救助犬、探知犬、盲導犬といった役割も担っています。
好奇心旺盛で、人や犬に友好的な性格の子が多く、どんな作業にも高い意欲で取り組む知的な犬種です。
しかし、その好奇心の高さゆえに、興味を持った目新しいものや匂いに強い執着を見せることもあるようです。
これはどの犬種にも当てはまることですが、散歩中に犬が興味を持ったものに対して起こす行動を何の制御もせずに自由にさせてしまうと、犬にヒールウォークをさせることはとても難しい作業となります。
そして、食に対する執着も強いラブラドール・レトリーバーに主導権を渡した状態の自由な散歩をさせてしまうと、それが拾い食い、誤飲に繋がる可能性もあります。
また、身体も大きく力の強い大型犬の動作は、人間が力だけで制御することは非常に困難で、急な犬の引っ張りに依る転倒事故の例も少なくありません。
人と犬の身の安全を守るためにも、散歩中にしっかりとヒールウォークをできるようにトレーニングをすることは、大型犬の飼い主さんとわんちゃんにとってはとても大切なことではないかと、僕はそう考えています。

ヒールウォークのトレーニングにはいくつかの方法があるのですが、Fくんは『食べ物が好き』ということだったので、おやつを使う方法でヒールウォークの練習をしてみました。
食べることが好きでおやつをしっかり追ってくれる犬の場合は、この方法が一番安全で楽しくトレーニングすることができます。
最初の段階では、おやつを犬の鼻先に持って行き、一歩進みます。
犬が人の横に着いて歩けたら、褒めておやつを与えます。
それができるようになったら、少しずつに歩く距離延ばしていきます。
それもできるようになったら、おやつを持たない手を犬に追わせるようにして、着いて歩けるように練習をしていきます。
犬によっては、おやつを持つ手に飛び付いてしまうこともあるので、そういった場合は手を出す高さの調節に気を付ける必要があります。
これは、とても地味で疲れるトレーニングになります。
『人の横について歩く』という行動を習慣付ける練習なので、手の誘導がない状態でヒールウォークができるようになるまで、多くの時間を必要とします。
でも、練習を続ければ少しずつでも必ず成果は出ますし、愛犬がしっかり付いて歩いてくれるようになった時の喜びはとても大きなものになります。
僕自身、エマの引っ張りやにおい嗅ぎの行動に悩まされた時期がありましたが、トレーニングを続けることによって、散歩に支障の出ない程度の脚側歩行はできるようになりました。
単調な散歩は、犬の勝手な行動を引き起こすトリガーになりやすいので、歩行速度の変化、声掛け、アイコンタクト、予測できないタイミングでのおやつの提示などを併用して、犬を飽きさせないようにすることも上手なヒールウォークの重要なポイントになります。
この方法でのヒールウォークをする場合、おやつの代わりにおもちゃを使うこともできます。
ただし、あまりにもおもちゃへの執着が強い犬の場合、おもちゃを離してくれずに引っ張りっこに発展してしまう場合もあるので、口に入れたら消えてなくなるおやつの方がトレーニングはしやすいと思います。
Fくん、おやつを使うトレーニングではしっかりと横について歩いてくれたので、練習を続けていけばどんどんヒールウォークが上手になるはずです!


そしてもう一つ、あまり深刻な悩みではないとのことなのですが、Fくんには「朝と夜のご飯の時に唸る」行動があるとのことでした。
この行動は、朝と夜の決まった時間の食事の時だけに起きる行動で、他の時間に与えるおやつやフードボールなどに執着している様子はないそうです。
飼い主さんに話をお伺いしたところ、朝と夜の食事の時間、食べる場所が毎日ほぼ決まっているとのことなので、『決まった時間の食事』という習慣化した行動に依って起きている可能性が考えられました。
そろそろご飯かな…と犬が予測をすることができれば、「早く食べたい! 早く早く!」という気持ちになって、それが唸り声になって出てしまうことも考えられます。
そこで、飼い主さんには、Fくんにご飯を与える時間、タイミング、場所、与え方を、毎回少しずつ変えてみるという方法をアドバイスさせていただきました。
犬に『時間で何が起きるかを予測をさせない』ようにするによって、問題となる犬の行動を減らすこともできるのです。


習慣化したほうが良いこと、習慣化しないほうが良いこと、犬は何かと手が手が掛かり面倒なことも多いのですが、犬を飼うということは『その犬の行動と常に向き合っていく』ということです。
そして、それこそが犬を飼うことの最大の喜びでもあり、それがあるからこそ自分の犬を愛することができるのだと思います。

Fくんは年齢的にはシニア犬ですが、飼い主さんと日々楽しみながらトレーニングをすることによって、これからも若々しく元気に過ごしてくれると思います。
犬は、飼い主さんと一緒に行動することを好む生き物です。
そして、それが犬の最大の元気の源になっている…と僕は思うのです。


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2014年11月22日土曜日

【DT008-01】 保護犬ベイスくんと落ち着くためのトレーニング


僕が子供だった頃は、今では当たり前のように飼われている純血種の犬はまだ珍しく、近所で飼われている犬の大多数はミックス犬でした。
ただ、僕が言っている『ミックス犬』というのは、ここ10年ほどの間に流行り始めた人が意図して作り出している所謂『一代ミックス』のことではありません。
どんな犬種の親犬から生まれてきたのか……その容姿からは簡単に判別することができない犬、僕たちが子供の頃に『雑種』と呼んでいた、最も慣れ親しんでいる愛すべき犬らしい犬のことです。

最近は日本で飼われている犬も純血種が多くなったせいか、そういった昔ながらのミックス犬をトレーニングするチャンスになかなか出会えなかったのですが、このブログを読んでくださったミックス犬の飼い主さんからトレーニング依頼のご連絡があり、その機会を頂きました。

トレーニング依頼のあったミックス犬は、ベイスくんという男の子で、推定生後六ヶ月。

何故『推定』なのかというと、このベイスくん、飼い主さんの息子さんが通っている高校に迷い込んできたところを保護した犬なので、正確な生年月日がわからないのです。
保護した8月に予防接種を受けた際、獣医さんに「たぶん今年の5月頃に生まれた子です」と診断されたそうです。

ということなので、このベイスくんがどんな犬種の親から生まれてきたのかも、当然わかりません。
事前に飼い主さんからは、「ラブラドールに似た雰囲気があるのですが、大型犬にはならなさそうな感じです。」という情報と共に、保護した直後の三ヶ月当時の画像を頂きました。


この画像からは、ジャックラッセルテリアに似た雰囲気も感じるのですが、小型犬のサイズは疾うに越えているとのことでした。
そういった事もあったので、今回は余計な先入観や思い込みを持たないようにして、実際に伺ってからベイスくんの行動特性を見極めることにしました。

そして、実際に飼い主さんのお宅に伺って対面したベイスくん。


保護当時に画像に比べると、顔付きもだいぶ変わって大人っぽくなっていました。

尻尾がきれいに巻いていたので、柴犬等の和犬の血が入っていることはわかりました。
そして、顔のパーツや色の入り方を見て、僕の中にはある犬種が思い浮かんだのですが、それはベイスくんの行動特性を観察しながら確認していくことにしました。


今回、飼い主さんからは、ベイスくんの噛み、飛び付き、室内でのいたずらを無くしていくためのトレーニングについてのご相談を頂きました。
この中でも、噛む行動がどのような性質のものなのかが気になっていたのですが、実際にベイスくんに接してみたところ、人が好きで遊んでもらいたくて甘噛みしたり人の手に歯を当てたりしているということがわかり、少し安心しました。
飛び付き行動も、同様の理由から行っているようでした。

飼い主さんは、ベイスくんの成長と共に、この噛む行動が激しくなっていく可能性を心配されていましたが、その行動は優位性や恐怖に起因するものではなかったので、飼い主さんが日々トレーニングをしていくことで十分に無くすことができるものでした。
ベイスくんが飛び付き、甘噛みを仕掛けてきている時には決して相手にせず、落ち着いてオスワリをしていられる状態になったら褒めてあげることを徹底するように飼い主さんにお願いしました。
ベイスくんは既にオスワリを覚えていたので、トレーニングはとてもスムーズに進められました。
最初は少し考え込んでいたベイスくんでしたが、すぐに「オスワリをしていれば何かいいことがある!」ということを理解してくれました!

『犬を落ち着いた状態で過ごさせたいのであれば、犬が静かな状態の時に褒める』
気付きにくいことですが、実はこれが最も大切なことなのです。


そして、ベイスくんには散歩中の引っ張り行動もあるということだったので、お散歩トレーニングもしてみました。


飼い主さんに注目する頻度、時間を高めるため、おやつを使ってヒールウォークの練習をしてみました。
おやつが大好きなベイスくん、しっかりとおやつに付いて歩いてくれます。

ヒールウォークの練習は、地味で多くの時間を必要とするので、犬も人間も疲れます。
見た目以上に大変で、重労働です。
自分のペースで走ったり地面の匂いを嗅いだりしたいと思っている犬の性質を、トレーニングによって変えていくので、当然時間もかかります。
この記事でも少し触れましたが、気持ちとしては最初から最後まで犬の好きなように散歩をさせてあげたい…僕はそう思うのです。
ただ、散歩には多くの刺激や危険が常に付いて回ります。
いざというときのため、犬を危険から守るためにも、まずは散歩の基本となるヒールウォークはできるようにしておいたほうが良い、僕はそう考えています。。


お散歩練習の後、小学生の息子さんと庭で遊ぶベイスくんを見ていて、ふと気が付いたことがありました。
息子さんが走り出すと、ベイスくんは家の周りを囲む庭の一番外側のラインをぐるぐると回るように走り続けました。
そして、少しずつ内側に入ってきて、息子さんが動くのを止めるとその近くでピタッっと伏せる……そんな動作を何度も繰り返していました。
この動作、ボーダーコリーをはじめとする、牧羊犬のアビリティです。
尻尾の形とこの動作から、ベイスくんは和犬と牧羊犬の血を引き継いでいるということが想像できました。
親がわからないミックス犬は、事前にその特性を調べることができない難しさがありますが、外見や行動の特徴をじっくり観察することによって、その犬を理解していくという楽しさがあります。


ベイスくんはまだ生後六ヶ月ということもあって、遊んだり走ったりしているうちにどんどんテンションが上がって、その行動が激しくなっていくようでした。
それによって飛び付きや甘噛みもはげしくなるようだったので、飼い主さんには、遊びの合間にブレイクを入れて、一旦ベイスくんが落ち着いてからまた遊びを再開するようにと、アドバイスさせてもらいました。
いつでもどこでも、その犬のテンションと行動をコントロールできるようにするトレーニングはとても大切です。
それを続けていけば……ドッグカフェにも必ず行けるようになります!


実は、今回ベイスくんのトレーニングで伺った場所は、こんな自然豊かな素晴らしい場所でした。


僕の住む草加からは、電車とバスを乗り継いで2時間30分掛かる茨城県某所。
ベイスくんのトレーニングの依頼をいただいた時、「茨城県内在住の他のトレーナーにトレーニングを頼もうかな…」という考えが一瞬頭の中を過ぎったのですが、ベイスくんの飼い主さんに多々ご配慮・ご協力をして頂いたということ、それと、(こういうことを言うとまた笑われると思いますが、)潜在意識の中の何かに呼ばれているような気がしたので、自分で伺ってトレーニングさせてもらうことにしました。

飼い主さんのお話では、ベイスくんを保護した息子さん、犬を保護したのはベイスくんで三頭目とのこと。
過去に保護した二頭の犬は、里親さんを見つけてしっかりと送り出したそうです。
そして、今回保護したベイスくんは、家族として迎えることに。

動物の殺処分の話になると、いつもワーストで名前が挙がり非難の的になる茨城県ですが、このような素晴らしい活動をされているご家族もいらっしゃいます。
逆に、殺処分がゼロになったと言われている地域にでは、動物を捨てる人がゼロになったのかというと、そういう訳ではありません。
腰の重い行政や、金儲け目的だけで命を動かすペット業界、動物の飼育を途中放棄する無責任な人間たちを罵倒したくなるのが人情ですが、その前に、まず一人の人間が一頭の動物としっかり向き合うことが大切だということを、飼い主さんのお話から学ばせて頂きました。
一人が一頭を……たくさんの人がそれをできるようになれば、多くの命が救われることになると思います。

トレーニングで伺った僕が、逆に大切なことを教えていただきました。
感謝の気持ちでいっぱいです。


そして、こんなお土産を頂きました。


とても美味しい柿。
草加周辺ではちょっと手に入らない美味しさでした!


トレーニングに対する意識の高い飼い主さんなので、必ずベイスくんは素晴らしい犬に成長するはずです。
その成長を見させてもらうために、是非またこのご家族の住む茨城に伺いたいと思っています。


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2014年11月16日日曜日

【DT007-01】 ポメラニアンと公園トレーニング


さわーやーかーなにちよぉー♪
へぃいー♪ へぃいー♪ へぃい♪ いつぁびゅてぃふぉーでー♪
※注:酔ってません


せっかくの良い天気の日曜ということこで、今日は自転車に乗って近所の公園に行ってきました。
秋の公園、やっぱり気持ちが良くて最高です!

そして、さわやかな秋の公園に似合う犬といったら、僕はこんな子をイメージします。


そうです。ドイツ原産の小型犬、ポメラニアンです。

今日は秋晴れの空の下、生後5ヶ月ふわっふわポメラニアン『ロッタちゃん』のトレーニングを、飼い主さんと一緒に公園で楽しんできました。

そして、ロッタちゃんの飼い主さんからリクエストを頂いたということもあり、今日はこいつも連れていきました。


最近、『動画では良い子』(笑)の評判が高いエマ、現場でしっかりモデル犬のお役目を果たせるかどうか……


ポメラニアンは、ジャーマン・ウルスピッツというやや大きめな中型犬をルーツに持つ小型犬です。
そして、そのジャーマン・ウルフスピッツは、サモエド等、極地を原産とする大型犬にルーツがあると言われています。
そのせいか、ポメラニアンは小型な犬でありながら、大型犬のような『堂々としてちょっとしたことには動じない』という気質を持つ個体も多くいます。

このかわいいロッタちゃんも、人好き&犬好きでとても積極的な女の子です。
好奇心が高いということは学習の機会を増やすということでもあるので、本来はとても良いことなのですが、飼い主さんにしてみると、「他のわんちゃんへのアプローチが積極的過ぎて、困ることも…」と感じることがあるそうです。

ということで、ロッタちゃんにはエマと並んでオスワリして、一緒におやつを食べる練習をしてもらうことにしました。
最初はエマと挨拶しようと頑張っていたロッタちゃん、徐々に落ち着いてエマと並んでおやつを食べてくれるようになりました。
賢いロッタちゃん、すぐに「今何をすればいいのか?」を理解して、落ち着いて行動してくれました。

普段からの飼い主さんが愛情を持って接しているせいか、ロッタちゃんは公園のような刺激の高い場所でもオスワリ、アイコンタクトの指示がしっかり入りました。
そのおかげで、トレーニングはとてもスムーズに進行♪
生後五ヶ月でこの落ち着き、本当に驚きです!

落ち着いた状態で他の犬と並んでおやつを食べるミッションを難なくクリアしたロッタちゃん、次にエマと一緒に公園の中を歩いてもらいました。


これも特に問題なし。
ロッタちゃん、落ち着いてエマとの歩行練習を楽しんでくれました。
たまにひっぱりがあるとのことだったので、飼い主さんにはチェックの方法をお伝えしました。


飼い主さんは、ロッタちゃんに他の犬とじゃれ合って遊べる子になるよりも、いつでもどこでも落ち着いていられる子になってもらいたい」という希望を持っているということだったので、今回はおやつを使う方法で『他の犬が近くにいても落ち着いて過ごす』というトレーニングを行いました。
公園という刺激の多い環境と初めて会う犬……まだ生後五ヶ月という月齢であるにも拘らず、ロッタちゃんは僕の想像を遥かに超える、素晴らしいレスポンスを返してくれました。
これから色々な環境でトレーニングを繰り返すことによって、ロッタちゃんはいつでもどこでも落ち着いて過ごすことができるポメに成長していくはずです。


犬を飼い始めると、「自分の犬を他の犬と遊ばせられるようにしたい」「散歩中に出会った犬と挨拶させたい」という理想を持つ飼い主さんは少なくないと思います。
僕は、それが悪いことだとは思いません。
ただ、他の犬と遊べないことや挨拶できないことをストレスと感じるような犬に育ててしまうと、それはいつかそのまま飼い主さんのストレスに置換されることになります。
犬同士の遊びを見ることは人間にとって楽しいことではありますが、犬と一緒に生活することを考えると、まずは犬が飼い主の指示をしっかり聞いてくれるようにトレーニングすること、そして、他の犬がいても落ち着いていられるようにトレーニングをすることの方が大切ではないかと僕は考えています。
飼い主さんと犬との絆、それは犬と一緒に楽しんでトレーニングとコミュニケーションを重ねることによって、決して切れない強いものになっていきます。


相変わらずのエマポジション(笑)
間にポメが三頭は入りそうなおかしな間がありますが、これはロッタちゃんのせいではなく、エマのせいです。
次回は、間がポメ二頭分になると思うので……今回はこれでお許しください<(_ _)>


ロッタちゃん、お疲れ様でした!
また次回も楽しくトレーニングしよう!!


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2014年11月14日金曜日

犬を褒める言葉


犬がこちらの望むことを上手にしてくれた時に使う『犬を褒める言葉』というものがあります。
「いい子」とか、英語だったら「Good Boy」とか、犬の飼い主さんはそれぞれ自分なりの『犬を褒める言葉』を持っていることと思います。

僕はエマを飼い始めてから、ずっと「いい子」という言葉を褒める言葉として使っていました。
でも、最近その褒める言葉を変えました。
ブログに埋め込んでいる動画を見てくださっている方はわかると思うのですが、最近は「おりこうさん」という言葉で、犬の行動を褒めるようにしています。

先輩トレーナーの何人かが、この言葉で犬を褒めているのを見て、何となく真似をしてみたのですが、これが犬には大好評!…のような気がします(笑)
言葉のイントネーション、音の柔らかさが犬にはちょうど良いのか、「いい子」という言葉を使うよりも、犬がしっかりこちらを見てくれるような気がします。
それと、文字数のせいか、犬が間を取りやすいようで、次の行動への移行がスムーズに感じます。

もしかすると、ただの気のせいかもしれません。
その言葉によって、犬ではなく、僕自身の間の取り方が良くなったのかもしれません。
でも、この言葉で今はうまく犬たちと繋がることができているので、先輩たちに感謝しながら「おりこうさん」を使わせてもらおうと思っています。

おやつやおもちゃだけでなく、この『犬を褒める言葉』もトレーニングを行う際の大切なご褒美となります。
同じ言葉でも、イントネーションや強さが変わったり、発せられるタイミングが違ったりするだけで、犬の反応が大きく変わります。
どんなタイミングで、どれくらいの強さでその言葉を発すれば、犬がよい反応を示してくれるのか…そんな事を考えて試しながらトレーニングを重ねていくと、その言葉は強力なツールとなるはずです。



本題から話が少し逸れますが…
犬のしつけ本やしつけ情報サイトに、「犬を褒めるときは、大袈裟に褒めてあげましょう」という、非常に抽象的な表現で犬の褒め方を説明しているもがあります。
これ、どうすればいいのか全くわからず、何のことやらさっぱり……ですよね(笑)
僕自身も犬を飼い始めたとき、しつけ本に記載されているこの一文を見て頭を悩ませました。
自分なりに色々試してみたのですが、犬が怖がったり唸って威嚇してきたり…
パピースクールに通い始めたその日、トレーナーさんに「大袈裟に褒めるって、どう褒めればいいんですか?」と真っ先に聞きました。
そして、それを目の前で見せてもらい、「自分の犬の褒め方は完全に間違っていた」ということをはっきりと理解しました。
やはり、実際に目の前で見ないとわからないことってあるんだな…と思いながら、その一文を心の底から呪いました。

僕が本やサイトで「犬を褒めるときは、大袈裟に褒めてあげましょう」という文章を読んで試した褒め方は、ムツゴロウさんが大型動物に接するときの褒め方でした。
「よぉーーーし! よしよしよしっ!」という、あれですね。
「犬を褒めるときは、大袈裟に褒めてあげましょう」という文章を読んで、〔大袈裟に褒める=ムツゴロウさんの褒め方〕と勘違いしてしまってたのです。
いけませんね……わからないのであれば、最初からしっかりとプロの指導を受けるべきでした。
ただ、その当時の僕と全く同じ勘違いをしている人……特に男性に多いようですが、結構そういう飼い主さんを見かけます。
僕とエマが通っていたパピースクールでも、小型犬に向ってそれをやってしまう男性飼い主の方が結構いました。
小型犬にそういう褒め方をしてしまうと、当然ですが犬は怖がります。
あれはムツゴロウさんがやるからいいのであって……というか、ムツゴロウさんはウフルドッグやクマやトラを相手にはあれをやりますが、小型犬を相手にしたときはやりませんから……
無駄に大きな声やアタックの強い声、しかも体の大きな男性からそれが発せられると、それがどんなに褒めている言葉であっても、犬は威嚇されていると勘違いします。
犬に接するとき、特に声で犬を褒める時は、できるだけ柔らかい声を使ったほうが犬に気持ちを伝えやすいと思います。
赤ちゃん言葉にならない程度に…ということで(笑)


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2014年11月13日木曜日

留守番の好きな犬に


ほんの少し飼い主が出掛ける素振りを見せると、留守番センサーが働いてもう大騒ぎの大パニック……パピーには特にそういう子が多いと思いますが、群れで生活することを好むイヌ科の動物にとって、ひとりでの『お留守番』は最も苦手なことのひとつでもあります。
自然界においては、独りぼっちになることは死を意味する場合もあります。
なので、犬は必死になって、飼い主の外出と自分が留守番させられるという事態を阻止しようとするのです。
当然ですよね。

でも、人間にしてみたら、やっぱり犬を自宅に留守番させないといけない事情もあるわけです。
そして、外出しないといけない人間 vs 留守番なんて真っ平ごめんな犬の戦いが始まります。
更に面倒なことに、双方「絶対に自分が正しい!」と思い込んでいます(笑)
ほんと、犬を飼うことって面倒で大変なことですね。


でも、そんな愛犬に、ちょっとした工夫でお留守番を好きになってもらう事ができます。
おやつと知育玩具を使って、留守番の時間を『楽しく遊ぶおやつタイム』にしてしまうのです。

出掛ける前、知育玩具におやつやフードを仕込みます。
難易度が高過ぎる知育玩具は、結果が出ずに犬が見向きもしなくなってしまうので、自分が玄関の外に出て、扉のロックをアップするまでの時間+数分の時間を稼げる程度のおもちゃとフードがあれば十分です。


最初は見えやすい位置に、知育玩具を置いて出掛けるようにします。
犬が慣れてきたら、徐々に部屋のどこかに玩具を隠すようにしていきます。
そうすると、犬はおもちゃとフードを探すことを楽しめますし、出掛ける飼い主は更に時間を稼ぐことができるようになります。

もう9年間もこのお留守番遊びをしているエマ、お留守番セットをガン見して、もうこちらなど見向きもしません。

「食べ物置いて、さっさと出てっていいから」

エマの背中からは、そんなオーラが発せられているように感じます。
習慣って怖いですね(笑)


これは、習慣付けの問題です。
繰り返し続けていれば、犬は「お留守番はおやつを食べられる時間」と認識するようになります。
そうすれば占めたものです!
人間は何のストレスも感じずに出掛けることができますし、犬は留守番することを楽しんでくれるようになります。
何事も日頃の積み重ね、トレーニングが大切です。

留守番時に犬に与える知育玩具ですが、犬種や年齢に適合したものを与えるようにしてください。
小さなパピーに硬い玩具を与えたり、顎の力の強い犬種に簡単に壊れてしまうようなおもちゃを与えないようにする注意が必要になります。


犬の留守番については、それ以外にもいくつか注意点があります。

まず、留守番させる時間についてですが、パピーの長時間留守番はご法度です。
いきなり長時間の留守番をさせたりしないように、気を付けてあげてください。
パピーは一度のたくさんの食餌を摂ることはできませんし、短時間の間に何度も排泄をします。
急に具合が悪くなることもあるので、パピーを長時間留守番させないといけない場合は、ペットホテルのデイ預かりや犬の保育園を利用してください。

また、パピーを成犬と一緒に留守番させる場合は、必ずお互いの行き来ができないように、サークル、クレート等を使用して仕切ってください。
飼い主の外出中に、成犬がパピーを襲うという事例が実際に起きています。

それと、留守番中に犬が淋しくて鳴き叫ぶから…という理由で、もう一頭犬を迎えるようなことはしないでください。
新たに犬を迎えるのであれば、まずは今飼っている犬の問題行動をクリアしてからにしてください。
問題があるところに新たな犬を迎えても、問題が更に大きくなるだけで何も解決しません。

あと、何かが起きたときにクレートやサークルに自ら逃げ込む習慣の無い子を留守番させる場合は、部屋の中でフリーにせずに、屋根付きサークルやクレートの中でお留守番させて上げるようにしてください。
大きな地震が発生したときなどに、転落、転倒してくるものから犬を守るためです。

最後に…留守番中に犬が移動可能な場所に、いたずらできるようなものを放置しないように気をつけてください。
電化製品のリモコン、ボタンやファスナー付きの衣類等、壊されて困る物や誤飲の危険がある物は、必ず犬の手…いや、口かな…の届かない場所に置くようにしてください。
ウチの子はもう9歳なので、さすがにいたずらはしなくなりましたが、若かりし頃、1シーズンに二度も扇風機のコンセントジャックを食い千切りました(T_T)


犬に留守番を好きになってもらう方法は、これ以外にもたくさんあると思います。
いろいろと工夫を凝らして、愛犬が楽しんでお留守番をしてくれるように考えてみてください!


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2014年11月12日水曜日

犬とのヒールウォーク


犬を飼い始めてから、その理想と現実のギャップに愕然とするもののひとつに『犬の散歩』があります。

子供の頃に見た、夕方の商店街をのんびり並んで歩くおばあちゃんと犬……僕は『犬の散歩』に対して、そんな幻想を抱いていました。
が、実際に犬を飼って散歩を始めてみると……犬はどんどん前進して行くわ、後ろを振り返るわ、上に飛び跳ねるわ、道の端に行って匂いを嗅ごうとするわ、視界に入った動くものすべてに反応して飛びかかろうとするわ……で、他の通行人から見たら、おおよそ『犬の散歩』とは呼べないマンガのようなコミカルな姿を晒すことになりました。
「犬の散歩って、なんて難しいんだろう…」
この時、心底そう思いました。

でも、翌々考えてみると、それは当たり前の事だったのです。
この記事でも少し触れましたが、ヒールウォークを教えられていない犬は、『人の横を人と同じペースで歩くことが良いこと』だなんて、夢にも思っていないのですから。
だから、自分の好きなペースで、自分の行きたい方向に勝手にどんどん歩を進めていくのです。

ウチのエマは、地面のにおいを矢鱈と取りたがる犬で、散歩中に何の指示も出さずに放っておくとストップ&ゴーと地面のにおい嗅ぎを繰り返しながら、勝手にどんどん前に進んでいきます。
正直、ヒールウォークは未だにあまり上手ではありませんが、散歩に支障が出ない程度のヒールウォークはトレーニングを重ねることによってできるようになりました。


ヒールウォークのトレーニングは、パピースクールに通っていた頃に何度も繰り返して行いました。

ヒールウォークのポイントは、『リードを短めに持つ』ことと、『リードを常に少し弛ませた状態にしておく』ことです。

そして、おやつやおもちゃを犬の鼻先に持って行って、それを追わせるようにしながら一歩進んで止まります。
それができたら、犬を褒めてご褒美を与えます。


最初から長い距離を付いて歩かせるのはとても難しいので、まず一歩から始めてください。
地味なトレーニングになります。
小型犬の場合、飼い主さんは大きく腰を屈めないといけなくなるので、体勢的にかなり辛くなります。
でも、そのトレーニングがきれいなヒールウォークへの一歩となるのです。

そして、この練習は、まず家の中や自宅の庭等の敷地内で始めることをお勧めします。
いきなり散歩コースでこの練習を始めても、外にあるたくさんの刺激に犬が反応してしまって、きっと一歩も付いて歩くことができないからです。
おやつやおもちゃを犬に見せても、多分動く人や自転車、他の犬、飛んできた木の葉のほうに向って行ってしまうはずです。
外には犬にとって魅力的な刺激が山のように存在します。
なので、家の中でできるようになったとしても、おやつやおもちゃを犬に見せたとしても、思い通りに付いて歩かせることは難しいのです。

じゃあ、どうやって犬にヒールウォークの形を教えるのかというと…
人間が止まってしまえばいいのです。
それによって、犬も動けなくなります。
「どうすれば前に進めるのか?」ということを、犬に考えさせるのです。
犬が引っ張ることを止めたら、犬を褒めてあげます。
そして、おやつ、おもちゃを使って、犬を自分の左横の位置に戻します。
それができたら、また褒めてご褒美を与えます。
その後、また一歩進みます。
もし犬が引っ張ったりにおい嗅ぎを勝手に始めたら、人は止まって……を、延々と繰り返します。
これのトレーニングによって、『人の横について歩くことは良いことなんだよ』と、犬に教えていくのです。

このトレーニングで注意しなければならないのは、人が止まっている時に犬が前に引っ張ろうとしたり、地面のにおいを嗅ごうとして下を向いたとしても、リードを引いて犬を人のほうに引き戻してはいけないということです。
絶対にリードを引いて犬をコントロールしないという点が重要なポイントとなるのですが、これがとても難しく、言葉や動画で説明のできない部分でもあります。
この部分については、しつけ教室や出張トレーニングでドッグトレーナーの指導の下、練習を重ねてみてください。

犬種や個体の差はありますが、ヒールウォークだけを単独でやらせようとしても、犬の集中が切れてしまうことがあります。
ヒールウォークはどうしても単調になりがちなので、アイコンタクトの要素を入れてみたり、歩くスピードに変化を付ける等、いろいろな工夫が必要になります。
そして、集中が切れやすい犬に対しては、常に声を掛けるようすることが大切です。

それともうひとつ、地面のにおいを取るのが好きな犬については、できるだけ道の端は歩かないようにします。
道の両端は他の犬のおしっこ等、においが溜まりやすい場所になるので、できるだけそこから離れて歩いたほうが、ヒールウォークの精度は上がります。
車両の通行量等、道路事情に気をつけながら、危険の無い程度に道の端から離れて歩くことが失敗を少なくしていきます。

そして、最も大切なのは…


ヒールウォーク後の自由時間です。
しっかりとヒールウォークをさせることは重要ですが、犬の大切な情報元となるにおい嗅ぎの時間も十分に与えてあげることが大切です。
最初は短時間ヒールウォークをさせたら、同程度の短時間の自由時間を与えます。
短い距離をしっかり付いて歩けるようになったら、ヒールウォークしている時間と自由な時間を徐々に延ばしていきます。

現在のエマの散歩は、一日一回約一時間。
そのうち、ヒールウォークをしている時間は、15分間だけです。
それと、公園でオビのトレーニングを5分間。
残りの40分間は、すべてエマの自由時間です。
「自由時間40分で20分間しか指示出してないの? バランスおかしくない?」
そんな事を言われたりもしますが、僕はそれでオッケーだと思っています。

「20分間だけ指示でしっかり動いてくれれば、後は好きにしていいよ」

毎日そんな緩い感じで、僕とエマは散歩を楽しんでいます。
やっぱり散歩は楽しまないと!


犬に引っ張りまくられると、人はイライラとしてきて散歩が苦痛になってきたりするのですが、どうか大らかな気持ちで犬を見守りながら、楽しくヒールウォークのトレーニングをしてみてください。
飼い主さんも犬も、楽しく散歩をしたいという気持ちはきっと同じはずですから。


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2014年11月9日日曜日

草加市犬のしつけ方教室&イヌリンピック


11月8日(土)、草加市役所で開催された草加八潮狂犬病予防対策協議会主催の犬のしつけ方教室に参加してきました。

このしつけ教室は一般飼い主さん向けのセミナーですが、市内で行われる無料の犬関連のセミナーの内容がどのようなものなのかを知りたかったので、一般の飼い主さんに紛れ込んで(笑)受講してきました。
また、トレーナーになったとは言え、まだまだ勉強中の身…というか、一生勉強は続くのですが、講師を務めるトレーナーの方の話す内容、説明の仕方、質疑応答での回答などを、トレーナーの目線で勉強させてもらいたかったという目的もあり、参加させてもらいました。

聞くところによると、このしつけ教室の開催は今回で7回目だとか…
恥ずかしながら、僕は市内でこういった犬のしつけ教室が開催されているということをアカデミーの同期に教えてもらって、今回初めて知りました。
もっともっと犬イベントアンテナを張り巡らせておかないといけませんね。

ただ、市内に住む何人かの知人にこのしつけ教室の話をしたところ、僕と同じ『全然知らなかった派』が大多数でした。
このしつけ教室の情報を教えてくれた同期は、動物病院に置いてあったチラシで情報を得たそうです。

市のサイトでも、このしつけ教室開催の情報は周知していたようなのですが、他にはどのような手段で周知していたのか…
当日、会場内にはたくさんの参加者の方がいたのですが、皆さんどのような経緯でこのしつけ教室の情報を得たのかが気になりました。
たまたまタイミングよく、動物病院でチラシを見て知った人がほとんどなのかな…
いずれにしても、犬を飼う人の意識を向上させる良い機会にもなるので、次回からはもっと多くの犬の飼い主の方にこのセミナーの情報を知ってもらえるように、周知をしてもらえると良いのではないかと思いました。

このセミナーで講師をしてくださった方は、さいたま市にある犬の保育園のトレーナーさんでした。

講師のトレーナーさんのお話は、犬の飼い主としての心構え、犬を飼う上で最低限守らないといけないマナー、最低限のしつけ…といった犬を飼う上での一般常識的な内容から入っていきました。
そして、犬のトレーニング手法の一つである陽性強化や犬の学習理論について、専門用語を使わずに誰でも理解できるような言葉で解説してくれました。
過去にトレーナーのトレーニングを受けたことがある飼い主さんや、犬を飼うことに対して高い意識を持つ飼い主さんにしてみたら、「常識では?」と感じてしまうような内容かもしれません。
ただ、昔ながらの犬の飼い方をしている飼い主さんも多いこの市の一般の飼い主さんにしてみたら、講師のトレーナーさんのお話の中から新たな発見をできたのではないかと思います。
実際、講師の方のお話を、食い入るように感心しながら聞いていた参加者の方もいました。
『犬に人間の言葉はわからない』『犬への行動の教え方』といったお話しでは、とてもわかりやすい説明があったので、多くの方が犬の学習理論について理解できたのではないかと思います。
僕は僕で、『飼い主さんへの上手な説明の仕方』という視点で、とても良い勉強をさせてもらいました。

そして、一時間の講義のあとは、40分間の質疑応答タイム。
質疑応答と言っても…講義の内容に関する質問は無く、自宅で飼っている犬の問題行動の解決方法相談コーナーという流れになりました。
無料出張トレーニングの依頼が市内からは全く無かったので、草加には犬の行動で困っている飼い主さんはいないのか…なんて思っていたのですが、そんなことはないようです。
飼い主さんが簡単なトレーニングをすることによって改善されるものから、プロの手を借りないと危険と思われるものまで、山のように問題行動の相談事が出てきて、結果的には質疑応答の時間は30分押しとなりました。

やはり草加市内にも、犬の行動に悩む飼い主さんがたくさんいるようです。
市内にはたくさんの犬とその飼い主さんがいるのですから、当然のことですよね。
ただ、ブログやSNSを使って無料出張トレーニングのお知らせをしても、市内の飼い主さんからの依頼は全くありませんでした。
知人の紹介で二件ほど市内の飼い主さんと犬のトレーニングさせてもらいましたが、ちょっと少ないな…という思いと、もっと市内でトレーニングをしたかったな…という思いが強くあります。

来年、僕自身がトレーナーとして開業した時に、そのような犬の飼い主さんたちをトレーニングに向き合ってもらえるようにしていくか、できれば問題となる行動が起きるパピーの時に…ということが、大きな課題になりそうです。

この記事でも触れましたが、現在の草加の犬の飼い主さんの意識は、東京や神奈川、そして近隣の市区の飼い主さんのそれに比べると低いように感じます。
時間はかかると思いますが、草加を東京や神奈川に負けないくらい犬に対する意識の高い街にしていきたい、そして、そのための行動を起こしていこうと考えています。

質疑応答での飼い主さんとトレーナーさんのやり取りを聞きながら思ったのですが、現場での犬の問題行動のしつけ相談は、やはり難しいものですね。
どんな犬種で何歳でどんな問題行動があって…という事前の情報がない状態で、限られた時間内にその場で答えを出さなければいけないので、多くの知識の引き出しが必要となります。
そして、知識だけではなく、実際に自分がそのトレーニングを行ったという経験も必要になってきます。
この質疑応答では、講師のトレーナーさんの回答の仕方や話の流れの作り方を学ばせてもらいましたが、もっともっと勉強とトレーニングの経験が必要になりそうです。
一般飼い主向けのしつけ方教室でしたが、僕にとってはトレーナー目線での勉強もさせてもらえて、とても有意義な時間となりました。


そして、今日11月9日(日)は、夢の島にあるイーノの森で開催されたイヌリンピックというイベントで、イベント手伝いに参加してきました。
そして、そこでは僕自身が犬の無料しつけ相談の相談員をやらせていただきました。

イベントの手伝いは過去に何度か携わらせてもらったことがあるのですが、無料しつけ相談の相談員をやらせてもらうのは初めてのこと。
いろいろな犬種が集まるイベントなので、実際に見たことない犬種の相談がきたらどうしようかな…等、前日は不安が募り、犬種図鑑を片手に深夜まで犬の勉強を…

実際に僕が担当させてもらった3件の相談は、過去にトレーニング経験のある犬種(トイプードル、ジャックラッセルテリア、ボーダーコリー)の相談だったので、飼い主さんにはその行動の原因や対策、行動を変えていくためのトレーニング方法をしっかりお伝えすることができました。
ただ、珍しい犬種も集まるイベントでのしつけ相談では、珍しい犬種の問題行動のご相談がくるかもしれません。
(珍しい犬種を飼っている飼い主さんは、犬に対する意識がそれなりに高いはずなので、あまりしつけ相談などは利用しないのかもしれませんが…)
それに備えて、もっともっと勉強と経験の積み重ねが必要だな…と感じました。

このイベントでもまた、良い経験と勉強をさせてもらい、この週末はとても有意義な時間を過ごさせてもらいました。
感謝。


イベントに遊びに来てくれたアカデミーの同期の愛犬、白柴のリンちゃん。


きれいでかわいいいい子です。
会うたびいつも頬ずりさせてもらってます(笑)


最後に…
草加市内で愛犬の行動にお困りの飼い主さん、年内は無料で出張トレーニングをやっていますので、お気軽にご相談ください是非今から犬のしつけ、トレーニングの開始をご検討ください。
もし、犬のしつけ、トレーニングに興味をお持ちでしたら、犬の出張トレーニング『ドッグトレーニング アズワン』のサイトもご覧ください。
土曜日のしつけ方教室の質疑応答の中で、「この後、ほんとに大丈夫かな…」と思ってしまった飼い主さんとわんちゃんのお話も聞いてしまったりしたので…
「犬とどう接していいのかわからない」「本やインターネットで見たしつけ方法を試したら、余計に状況が悪化してしまった」という飼い主さん、迷わずプロのドッグトレーナーにご相談ください。
僕自身が一般の飼い主だった頃にそうしたように、犬にマッチしたトレーニングを受けることによって、将来的にそれが飼い主さんと愛犬の幸せに確実に繋がっていきます。


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2014年11月7日金曜日

犬とのアイコンタクト


本来であれば、『これ』について一番最初に説明しないといけなかったのですが…
『これ』というのは…


そうです、『これ』です。
他の犬のトレーニング関連記事とテレコになってしまいましたが、今回の記事では、人と犬の『アイコンタクト』についてお話ししたい思います。

アイコンタクトというのは、その名の通り、目と目で情報交換をすることです。
視線と視線を合わせて、意思の疎通を図る行動のことをアイコンタクトと呼びます。

このアイコンタクトを犬に教えることによって、飼い主さんは大きなメリットを得ることができます。
いつでも犬とアイコンタクトを取れるようにしておけば、人は常に犬の集中を自分に向けることができるので、犬をコントロールしやすくなります。
アイコンタクトをできるように犬をトレーニングしておけば、オスワリやフセなどの犬の行動の精度も格段に上がります。
そして、犬が常に飼い主に対してアイコンタクトを取ってくるようになれば、もう犬を無理にコントロールする必要はなくなるのです。
そこまでアイコンタクトを極めた犬と一緒にいると、逆に人が犬にコントロールされているような気分になってきます(笑)

なので、まずオスワリやフセよりも先に、このアイコンタクトを犬に教えたほうが良いと僕は考えています。

ただ、犬をはじめとする多くの動物たちは、他の生き物と目を合わせることを苦手としています。
なぜならば、目と目が合うことは、争いの始まりを意味するからです。
そのような理由から、このアイコンタクトという行動を自然には覚えてくれない犬もたくさんいます。

人間でも、「目を見たり見られたりするのは苦手…」という人はたくさんいますよね。
僕も苦手です(笑)
そして、エマもそうでした。
人の目を全く見ない子でした。
そんな『人と視線を合わせることが苦手』な犬には、トレーニングでアイコンタクトの行動を教えていってあげます。

「人と視線を合わせることは怖いことではなくて、良い事が起きる合図なんだよ」
楽しくトレーニングをしながら、それを犬に覚えてもらいます。


まずは、おやつやおもちゃを使って、犬に人と目線を合わせることに慣れさせていきます。


おやつやおもちゃを自分と犬の目線の間に入れて、犬の名前を呼びます。
そして、犬にご褒美を与えます。
このトレーニングによって、人と視線を合わせることに犬を慣らしていきます。

この後の段階のトレーニング方法は色々とあるのですが、徐々におもちゃやおやつを使わないようにしながら、「人に名前を呼ばれたら、人と視線を合わせる」ということを、トレーニングによって犬に教えていきます。

最終的には、犬が人に注目していないときに名前を呼んで、視線を合わせてくるようにトレーニングして行きます。



単体で見ると、アイコンタクトはとても地味な行動に見えますが、他のコマンドと組み合わせることによって大きなメリットを生み出してくれます。
オスワリやフセのコマンドを出す前にアイコンタクトを取っておけば、ほぼ確実にその行動を引き出すことができます。
散歩のヒールウォーク中に人から離れそうになったときも、名前を呼んでアイコンタクトを取れば、犬の進路を修正することが容易になります。
また、以前の記事で触れた呼び戻しのように、「アイコンタクトを取れることが前提」となるコマンドも存在します。

以前の記事でも同じようなことを書いた気がしますが、派手なトリックを教えるよりも、まずアイコンタクトを教えたほうが犬との信頼関係を築きやすくなります。
その上でトリックを教えたほうが、結果的に近道になるのではないかと、僕は考えています。

何度も犬と視線をあわせることによって作られる強い絆、多くの飼い主さんにそれを感じてもらえれば…と思っています。


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2014年11月2日日曜日

【DT006-02】 キャバリアとお散歩トレーニング


キャバリア・キングチャールズ・スパニエル!

この長い犬種名に慣れ親しむことに少し時間が掛かりましたが、今ではしっかり噛まずに言えるようになりました(笑)

ということで、今日は9月中旬に無料出張トレーニングで伺ったキャバリアのRくんに、再び会いに行ってきました。
もうすぐ6ヶ月になるRくん、元気でやんちゃな盛りですが、9月に会ったときよりもだいぶ落ち着きが出てきたように感じました。
それでも、飼い主さんにお話しを伺うと、まだまだRくんの行動に対する悩みは尽きない…とのことでした。

今日は、その中でも特に飼い主さんがお悩みになっている散歩中の引っ張り行動をなくしていくため、飼い主さん、Rくんと一緒にお散歩練習を中心にトレーニングを行いました。

僕も犬を飼い始めた時にとても困ったのですが、散歩中の犬の引っ張り行動には多くの飼い主さんが頭を悩ませているのではないかと思います。
街中で飼い主さんの横にピタッと付いて歩く犬を見ると、それはとても簡単な事のように見えるのですが、実際に自分でやってみると、『ヒールウォークはとても難しい』ということがよくわかります。
お散歩を始めて一ヶ月あまりのRくんも、飼い主さんの横に付いて歩く『ヒールウォーク』の形をまだ覚えていません。
ヒールウォークを教えてもらっていない犬は、『人の横について歩くこと』が(人にとって)良いことだなんて夢にも思っていません。
なので、犬に横に付いて歩いてもらいたいのなら、人間がしっかりとヒールウォークの形を教えてあげる必要があります。

前に行きたくて引っ張る、後ろを気にして振り返る、地面のにおいを嗅ごうと頭を下げる、風に乗って飛んできた物を追いかける…散歩を始めたばかりの多くの若いわんちゃんは、そういった行動を取ることが多くなります。
犬がそういった行動を取ったとき、多くの飼い主さんはリードを使って犬の行動を制御しようとしがちですが、それでは犬の引っ張り行動はなくならないどころか、その行動を助長してしまう可能性があります。

じゃあ…どうすれば良いのかというと…

まず考えられる方法としては、おやつやおもちゃ等、その犬が好きなものを使って、犬の集中を自分に向けて離れないようにするというものです。
おもちゃやおやつを犬の鼻先に持って行って、人から離れないように歩く…この練習を繰り返すことによって、ヒールウォークを覚えてくれるわんちゃんもいます。
ただ、外にある多くの刺激…例えば、におい、他の犬、飛んでくる物、歩く人等は、犬にとって、とても魅力のあるものです。
なので、おやつやおもちゃの刺激が、これら外にある多くの刺激に負けてしまうことがあります。
そうなってしまうと、いくらおやつやおもちゃを使って犬の集中を取ろうとしても、もう無理…ということになってしまいます。

なので、まずその前に、犬に対して「引っ張ったら動けないよ」ということを教えてあげる必要があります。
犬が前や後ろに引っ張ったり、地面に向けて顔を下げようとしたら、人は立ち止まって動くことを止めます。
犬に声を掛ける必要もありません。
立ち止まって、犬が引っ張り行動を止めるタイミングをひたすら待ちます。
犬が引っ張ることを止めたら、そこでその行動を褒めてあげます。
そして、犬に一度オスワリをさせて、また歩き始めます。

最初は一歩進むと犬が引っ張って、立ち止まって犬が引っ張ることを止めるのを待つ…の繰り返しになってしまって、理想の散歩からは程遠いものとなってしまいますが、最初はそれで構いません。
犬に「どうすれば散歩できるのか?」考えさせること、引っ張る行動を無駄だと理解させること、引っ張る行動を諦めさせること、これらを地道なトレーニングによって犬に覚えていってもらいます。
『人の横について歩いて散歩する』ことを犬に習慣付けていくのですが、その習慣付けを犬に教える方法は、リードで犬を引っ張ることではなく、犬を散歩させる飼い主さんが我慢強く犬が引っ張らなくなるのを待って、その行動を褒めることです。

そして、この練習は最初から長時間続け過ぎることがないように、自由な時間も入れてあげるようにします。
休憩時間がないと、人間と同じように、犬も集中力とやる気が落ちてしまいますので、5分間トレーニングをしたら、3分間休憩時間を入れる等、犬のモチベーションを保つように注意してあげてください。
慣れてきたら、トレーニングの時間や歩く距離を徐々に延ばしていくようにします。

とても地味なトレーニングですが、動かないでいることや犬を褒めるタイミング等、犬によってはとても難しい作業となるので、なかなか上手くできない…という場合は、お近くのドッグ・トレーナーに相談してみてください。

Rくんの場合、飼い主さんがしっかりとトレーニングしてくださっているおかげで、外でもしっかりとオスワリしたりアイコンタクトを取ることができます。
なので、この練習を何度か繰り返すうちに、引っ張ることを止めた後、座ってこちらを観てくれるようになりました。
今はまだ引っ張る行動がありますが、これからトレーニングを積み重ねていけば、必ずきれいなヒールウォークをすることができるようになります!
次のトレーニングが楽しみです。

そして、頑張ってトレーニングをした後は、大好きなおやつを食べて…


しっかりぐっすり睡眠とって…
頭を使うと、やっぱりわんこも疲れるようです。


食べることと眠ることも、犬の大事な仕事ですね。


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