2015年1月21日水曜日

新しい何かを呼び込んで掴む


ひょんなことが切っ掛けとなって、犬のトレーニングの仕事の依頼をいただく事ができました。
今年最初に投稿したこの記事の続きになってしまいますが、事の始まりは年末のスーパーの駐車場でのクルマ同士の接触事故です。
詳細は割愛させてもらいますが、あの接触事故がなければ、今回のトレーニングの依頼もありませんでした。
何と表現したらよいのか難しいのですが、「自分の身の回りで起きるすべてのことには、必ず理由があるんだな…」と、心からそう感じました。
そして、その事象を前で捉えるのか後ろで捉えるのかによって、その後の物事の流れもまったく違う物になるという事を学びました。

一般的に、過去は変えることはできないと言われています。
でも、その後の出来事によって、過去に起きた事象に対する感情・印象は大きく変わっていくとも言われています。
有り難いことに、僕は今回の経験からそれを体感させてもらうことができました。
笑ってしまうような話ですが、年末の接触事故は、結果的に僕にとってとても良い出来事へと変わっていったのです!

日々生活をしていく中で、人は数多くの経験をすることになります。
その経験の中には、決して楽しいとは感じられないこと、苦痛なこと、腹立たしいこともたくさんあります。
正直、素直に受け入れられないようなことも頻繁に起きたりします。
そんな時、僕はその出来事を正直に感じ切るようにしています。
感じ切る方法はいろいろ。
その出来事を誰かに話すも良し、紙に書き出すも良し、その場面を思い出して「こう言えばよかった」と思うことを声に出して言ってみるでも良し、とにかく気が済むまでアウトプットしてみるのです。
アウトプットしまくってみると、不思議とその出来事を受け入れてもいいという気分になってきます。
我慢をする必要などまったくなく、素の自分を出しまくれば良いのです。
それを何度も何度も何度も…繰り返していくと、無駄に空気を読んだり遠慮をしたりせず、いつでも自分を好きなように出す事ができるように…とは言っても、僕もまだまだ修行中です。
素直な自分を出すことができたときに、新しい何かを手の届くところまで呼び込むことができる…そう思っています。
何かを呼び込んだら、そいつをぎゅっと掴むだけです。
自分の出し方にもいろいろな表現方法がありますが、できるだけ前を向いた形で出すと良い結果が得られるようです。
後ろを向いた形で出すと、いろいろなものを自分から遠ざけてしまう…そんな気がしています。
多少の波は日々起きることなので、それに気を取られずに前を向いていたいですね。

さあ、そろそろスタートラインに立つ時間だ!


Let's Get Rollin'!!


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2015年1月10日土曜日

【AO000-01】 やっぱりシュナが好き!


さて、今年最初の出張トレーニングは、何といきなりミニシュナさんです。
しかも2シュナということで、弥が上にもテンションが上がります!

今回トレーニングさせてもらったシュナウザーは、2頭共に過去に大変な経験をしている推定4歳前後のシュナさんです。
その頃の経験及び経験不足を起因とする2頭の行動を変えていきたいということで、2頭を保護した現在の飼い主さんからカウンセリングとトレーニングのご依頼をいただきました。

まずは、Jくん。
最初に生まれ育った場所でまったく社会化の経験をさせてもらえなかったために、犬が苦手。
散歩中に犬と擦れ違う度に、反応して吠えてしまうとのことでした。
実際に外でJくんと歩いてみると、遠くに犬を見つけたところでロックオンが始まり、相手の犬との距離が詰まるごとに興奮が増していき、動きと吠えが激しくなっていくように見えました。
散歩中に他犬に反応してしまう犬のトレーニング方法はいくつかあるのですが、Jくんの場合、おやつに対する集中が高く、相手の犬に視線が移らなければ飼い主さんの指示が入るようでした。
また、ステイしている状態よりも、リズミカルにヒールウォークをしている状態の方が集中が高まるようだったので、「犬が近づいてきたら、Jくんの大好きなおやつを使って集中を取り続けて、止まらずに犬と擦れ違ってください」と飼い主さんにアドバイスをして、練習をしてもらいました。
飼い主さんのご自宅の近所には、「庭に犬が出ているお宅があって、その脇を通るときは大変」ということだったので、実際にその場所に行って、そこでも同じ方法で練習をしてみました。
このようなケースでは、相手の犬の行動をコントロールをすることはできないので、相手の反応があまりにも激しい場合はその道は避けることを飼い主さんに勧めようと思っていました。
実際にその場所で犬たちの行動と反応を確認してみると、Jくんもそのお宅の庭にいる2頭の犬も視線さえ合わなければ吠えないということが確認できたので、そこでも犬との擦れ違い時と同じように、おやつを使ってJくんの集中を取ってそのまま歩いて通り過ぎるという練習を飼い主さんにしてもらいました。
犬同士の視線が絡み合って犬同士の集中が高まると、興奮して争いが起きやすくなります。
いつでもどんな場所でも、飼い主さんが愛犬の集中を取る事ができるようにしておくことによって、他の犬への吠えや飛び掛りを防ぐことができるようになります。
常に犬が飼い主を気に掛けることを習慣化することによって多くのトラブルや危険から愛犬を守る事ができるので、いつでも犬の集中を取ることができる術を身につけておくといざというときに役立ちます。

そして、もう一頭のFくん。
Fくんも以前に生活していた環境での経験に依って、人の手と男性(特に中高年)が苦手になってしまったそうです。
散歩中に前方から歩いてくる男性が手を大きく動かしていたりすると激しく反応してしまい、空噛のような行動をしてしまうとのこと。
また、他の犬との挨拶の後、相手の犬の鼻をかぷっと噛んでしまうこともあるそうです。
実際に外で確認させてもらったのですが、Fくんの近くを鍵を鳴らしながら腕を振って歩く男性が通り過ぎたとき、Fくんがその男性に反応して向っていこうとするような素振りを見せました。
「食べ物よりも褒めてもらうことの方が好きなようで」というお話を飼い主さんから聞いていたのですが、持参したレバーケーキを使ってみたところ、しっかりと食べ物にも集中してくれました。
レバーケーキは匂いが強いおやつなので、屋外でも効き目十分に機能してくれます。
Fくんの場合は犬ではなく男性が刺激となりますが、散歩中に気になるタイプの人と出会ってしまった場合には、Jくんと同様におやつを使って集中を取るようにと飼い主さんにアドバイスさせてもらいました。
また、Fくんにも少し吠える行動があったのですが、それの吠えはJくんの行動に誘発されて起きるもののようでした。
Jくんが吠えなければFくんも吠えることはないので、吠えについては「Jくんを吠えさせない」ことに全力を傾けてもらうように飼い主さんにお伝えしました。
そしてもう一つ、Fくんのハンドシャイについても確認をしてみました。
Fくんの顔の横や下半身に近い部分で手を動かすと、その方向に頭を素早く動かす動作がありました。
ただ、噛み付く素振りはなかったので、レバーケーキを食べさせながら身体をゆっくり手の甲で撫でみました。
Fくんも最初は触られている部分を気にしていましたが、徐々に触られることにも慣れていってくれたようでした。
過去の経験からハンドシャイになってしまったFくんですが、弱い刺激(ゆっくりとした手の動き)であればおやつを食べながら耐えてくれます。
無理のないレベルの刺激から練習を積み重ねて、「人の手は怖くはない」ということを教えていってあげれば、きっと人の手の優しさを感じてくれるはずです。
ただ、他の犬との挨拶で鼻を噛んでしまう行動については、相手が犬ということもあって刺激の調節ができません。
日本では、散歩中に犬同士を挨拶させたいと考える飼い主さんがいますが、無理に犬同士を挨拶させる必要はないので、その点を飼い主さんにお話ししてご理解していただきました。
飼い主さんと犬との間でしっかりとしたコミュニケーションが気付けていれば、それ以上は必要ありません。
犬が飼い主さんを一番だと思うこと、いつも犬が飼い主さんを見ていてくれることが何よりも大切なことです。

ミニチュア・シュナウザーはネズミを捕るために作られた犬なので、素早く動くものに対して過敏に反応します。
何も刺激がなければのんびりとした散歩が楽しめる犬なのですが、目の前に猫が飛び出してきたり、曲がり角で出会い頭に他の犬と鉢合わせをしてしまった瞬間にスイッチが入ります。
刺激を見つけるとロックオンなどせずに、凄まじい瞬発力で目標に向って飛び掛ります。
それ故、「シュナウザーは扱いづらい。吠えてうるさいし面倒。」という人も少なくありません。
確かにそうかも…ですが、シュナウザーは元々そういう犬なのです。
ターゲットに対して過敏に反応するように作られた犬なので、そういう行動をします。
刺激を見つけても反応しないしないシュナウザーは扱いやすいかもしれませんが、使役犬という観点からするとシュナウザー失格なのかもしれません。
でも、ミニシュナの遺伝子をバッチリ引き継いでしまった激しい子を迎えてしまっても、トレーニングによっていくらでもコントロールすることはできるのです。

このブログとエマのブログのおかげで、たくさんのミニシュナとその飼い主さんに出会うことができました。
今回トレーニングをさせてもらったJくんとFくんも、とても魅力的なシュナウザーでした。
これからもたくさんのシュナたちと一緒にトレーニングをしたい…そう思っています。

話が逸れますが、シュナウザーの飼い主さん、多頭飼いの方が多いですね。
なぜだろう…
ウチにももう一頭シュナを迎えたいな…と、シュナ多頭飼いのお宅に伺うと、いつもそんな事を考えてしまいます。


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2015年1月5日月曜日

年のはじめのシンクロニシティ


明けましておめでとうございます。
旧年中はたくさんの方々に大変お世話になり、本当にありがとうございました。
本年も当ブログとお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。


2015年最初の記事は、犬のトレーニングとは直接の関係のない話題になります。
挿話的なものになりますが、初詣に行ったときに起きたちょっと面白い出来事についてお話ししたい思います。

我が家では、毎年元日に地元の神社へ初詣に行くことが習慣になっています。
今年の元日も例年同様、自宅から徒歩5分の場所にある浅間神社へ行って参詣してきました。


鳥居をくぐり、手水舎で手と口を清めて、拝殿で今年一年の幸せを祈願、その後、昨年お受けしたお札をお返しして、新しいお札をお受けするために授与所へ。
どれにしようか…と、お札を選んでいると、「こんにちは! こんにちは!」と、授与所の中から挨拶する声がしました。
最初は自分には関係のないものだと思っていたのですが、どうもその挨拶は僕に対して向けられているものらしい…ということに、雰囲気で気付きました。
「いや、いくら近所だからとは言っても、ここに知り合いはいないと思うんだけど…」なんて思いながらその声の主に視線を向けると、そこには見覚えのあるおじさんの顔がありました。


初詣の前日の大晦日、僕は近所のスーパーの駐車場で起きた、クルマ同士の軽い接触事故に巻き込まれました。
事故と言っても、停めてあったクルマのバンパーを擦られた程度だったので、大騒ぎをするほどのものではありません。
でも、何かと忙しい年の瀬、家に帰ればやっとのんびりできる…なんて考えていた大晦日の夕方にクルマをぶつけられたりしてしまったら、それなりに不機嫌になってしまうわけです。
事故の相手は、年配の男性でした。
度量の狭い僕は、その時にお世辞にも愛想が良いとは言えない態度で、その方に接してしまいました。
「クルマぶつけられたんだから、機嫌悪くなっても仕方ないよね」とか、「でも、当て逃げされたわけじゃないから、それは良かったよね」とか、「自分だって当てる可能性があるんだから」とか、「家帰って酒飲んで忘れよ」とか、頭の中でいろいろな思いを廻らせながら、その場の怒りを納めつつその日は自宅に戻りました。
実際に、紅白を観ながらウイスキーを飲んで、年越しそばを食べて寝て起きたときには、車の事故のことなどすっかり忘れていました。

忘れていたのですが…初詣の参拝で立ち寄った授与所の中から僕に向って何度も声を掛けていたおじさん、それは、前日にスーパーの駐車場で僕のクルマのバンパーを擦った相手の方だったのです。
前日、住所を聞いたときに近くにお住まいの方だったので、またどこかでばったり出会うなんてこともあるかとは思っていたのですが、まさか翌日の元旦とは…まさか初詣の授与所とは…
僕は思わず、「あーっ!!」とその場で大声で叫んでしまいました(笑)

思わぬときと場所で再開したおじさん、お忙しいのを承知の上、その場で少し話をさせてもらいました。
大晦日の夕方、そのおじさんは、初詣の神社でのおつとめの準備のためにとても急いでいたそうです。
そのために、クルマの運転をミスしたとの事でした。
事故当日にはそんな話をする余裕もなく、クルマの修理の手配どうしよう…保険会社に連絡しなきゃ…などと、事務的な自分のことばかりを考えていました。
『一つの物事はあらゆる角度から観察・分析しなければ決して理解することはできない』と、あれほど普段から自分に言い聞かせているのに、いざその場面に立ち会うと、なかなか思ったように思考を巡らせることができないものです。
いつもなら、事が終わった後でただただ反省するだけだったのですが、今回はもう一度その事象と向き合うチャンスをいただく事ができました。
それも元日の神社という場所で…これはとてもありがたいことです。
何故こうなったのかはうまく説明できません。
そして、単なる偶然で片付けるにはあまりにもできすぎていて、これはシンクロニシティなのかな…と、僕はそう考えています。
僕自身は一晩寝て起きて忘れたつもりでいたけど、潜在意識のどこかにおじさんや事故のことを落とし込んでいたようです。
そして、相手のおじさんも僕同様、潜在意識に同じ出来事を沈めていったのだと思います。
潜在意識で呼び合ったから、またすぐに出会うことになったのでしょう。
これはすごいことです。

この世にはたくさんの命があります。
その命はそれぞれ別々にまったく違うことを考えて日々過ごしています。
が、それはそのように見えるだけで、実際にはこの世には潜在意識は一つしか存在しないといわれています。
まったく違う人がまったく違う場所で同じ事を考えていたりすると、潜在意識で呼び合って…ということがあるそうです。
ある人のことを考えていると、その人から突然連絡があって…なんてことがあると思うのですが、そんなうまく説明のできない事象を分析心理学上ではシンクロニシティと呼んでいます。
ちょっと怪しげな話なので、「そんなのあり得ない」と考える人もたくさんいらっしゃると思います。
でも、地球という星が生まれる確立は、『バラバラにしたオートマチックの腕時計の部品を25メートルのプールに投げ込んで、水流だけで元の時計に組み立てることができる確立』とほぼ同じだそうです。
常識では考えられなような確立で生まれた星の上で毎日多くの命が生活しているのですから、何が起きても何の不思議もないですよね。
僕はシンクロシティも一つの潜在意識も、どちらも信じています。
僕は少し心理学を学んでいた時期があって、この手の話を始めると長くなりますので…(笑)、心理学については、また別の機会にお話しさせてもらいたいと思います。
実は、人の心理学も犬のトレーニングと全く無関係ではなく、あらゆる場面で使うことができたりするのです。

ちなみに、『シンクロニシティ』という言葉は、高校生の時にTHE POLICEというバンドのアルバム名から知りました。
その当時は、シンクロニシティという言葉の意味も、ユングがどういう人なのかも全く知りませんでしたが…
非常に優れたアルバムで、誰もが知っている曲もインクルードされているので、興味があったら一度聴いてみてください。


一頻り話した後、境内を散策していたら、そのおじさんが授与所から出てきて、お守りをくれました。


『これは身代わりのお守りだから。今年はもう私が身代わりになったから大丈夫』と、そう言いながら、お守りを手渡してくれました。

滅多にできないとても貴重な経験をさせてもらった二日間。
本当に良い正月を迎えられ、素晴らしい一年を過ごすことができそうです。
初詣の時に、ちょっとミッション的なこともしてみたので、その成果がすぐ出たのかも(笑)

今年もたくさんの経験と学びを積み重ねていけそうです。
自分の身の回りで起きるすべてのことに感謝します。


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