2014年10月28日火曜日

シニア犬だって楽しく暮らしたい


この子は、義妹の家に住んでいる『モカ』というミニチュア・ダックス(♀)です。


今年、14歳になりました。
小型犬の14歳は、人間の年齢に置換すると約72歳。
モカは、所謂『シニア犬』と呼ばれる年齢の犬です。


僕は、この小振りなミニチュア・ダックスを、生後3ヶ月のパピーだった頃から知っています。
ダックスにしては珍しく、パピーの頃から何があっても全く吠えない子でした。
そして、社会化らしい社会化などほぼしていないにもかかわらず、人と犬に対してとても友好的。
トイレを覚えるのに少し時間が掛かったようですが、それ以外は何の問題行動もない本当に良い子です。
その穏やかな性格は今も変わりませんが、体中の至る所に加齢による大きな衰えが見え始めています。
視力、聴力、脚力等、体中のいろいろな機能が低下してきていて、若い頃に比べるとあらゆる動作が緩慢になってきています。

加齢による体の機能低下は、どの生き物にも例外なく起こることで、そこから逃げることはできません。
もちろんモカも例外ではなく、「歳を取ったせいか、最近では一日中寝てばかりで、散歩に出してもほとんど歩かない」という話を、義妹から聞いていました。
ただ、14歳のシニア犬で体力が衰えているとは言え、寝たきりなったわけでもなく、起きているときは部屋の中を行ったり来たりしているので、外の空気を吸わせて気分転換だけでも…と思い、抱っこ状態でモカを外に連れ出してみました。

モカは最初、空に向って鼻を突き上げてにおい嗅ぎをしていたのですが、次第に地面に顔を向けるようになったので、地面に下ろしてみました。
地面に降りたモカは、自分の周りの地面の匂いを嗅ぎ始めたのですが、確かに一歩も動こうとはしませんでした。
「やっぱり外では歩かないのかな…」と思ったのですが、物は試しということで、駐車場に連れて行ってリードを外した状態で地面に下ろしてみました。

すると、モカは地面のにおいを嗅ぎながら、少しずつ動き出して…


なんと、私道に向かって走り出しました!


若い頃に比べると、足元が覚束ないヨタヨタとした走りですが、しっかりと自分の足で、そして自らの意思で動いてくれました。

カラーとリードを装着すると動かなくなってしまうので、一般的な犬の散歩をさせることはできませんが、駐車場等の敷地内でほんの少し歩かせたり走らせたり地面の匂いを嗅がせたりするだけでも、シニア犬にとっては良い運動、良い刺激になるはずです。


人間の体も犬の体も、その機能を使うことをやめてしまったら、どんどん衰えていきます。
思考能力も筋力も、使ってこそのものです。
もちろん、14歳にもなるシニアの小型犬を二時間も散歩させるとか、アジリティのハードルの練習をさせるといったような、ハードな運動をさせることはできません。
でも、その年齢に見合った犬の運動、犬の遊びは必ずあると思います。
犬に『動きたい! 遊びたい!』という欲求があるのなら、それは絶対に実現させてあげるべきだと思うのです。


ほんの少し外の空気を吸って、ほんの少し走って、ほんのすこし地面の匂いを嗅げば、シニア犬だってこんなに顔が輝くのです。

いくつになっても人が人であろうとするように、いくつになっても犬は犬であろうとします。
そして、歳を取っても犬が犬であることを実現してあげられるのは、飼い主さんだけです。

その犬が何を好きなのか、何をしたいのかは、飼い主さんが一番理解しているはずです。
もう歳を取ってしまっているから…と、飼い主が決め付けて諦めてしまうことがないように、いろいろと考えて工夫をしてあげることが、シニア犬のハッピーな生活には必要不可欠だと、僕は考えています。

ほんの小さなことでも、シニア犬だからこそ楽しめる何かがきっとあるはずです。
それを見つけてあげることも、犬と暮らしていくことの楽しみの一つだと思うのです。

輝く犬の笑顔は、何物にも変えがたい飼い主さんの宝物になるはずです。


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