2011年12月22日木曜日

Anaphylactic Shock (アナフィラキシーショック)


】この記事に記載されている出来事は、2011年12月21日に起きたものです。ずっと下書き状態のまま放置状態になっていた記事を、今更となりますが公開することにしました。(当時のエマと同じような症状が飼い犬に出た場合、この記事がその飼い主さんの参考になるかと思ったので。。。) 現在のエマの健康状態には全く問題がなく至って元気にしておりますので、どうかご心配されませんようお願い致します。


夜9時頃、その日の仕事が片付いてそろそろ帰宅しようかと帰り支度を始めていた時、携帯電話が鳴り出した。
家からだった。
〔余程の事が起きない限り連絡はメールで済ませる派〕の嫁からの電話。
何かあったのだろうか。。。と考えながら電話に出た。

「エマの様子がちょっと変なんだけど。。。」

嫁が帰宅すると、サークルの中に二ヶ所エマが嘔吐した形跡があったらしい。
エマの嘔吐は珍しいことではないが、その後も水をがぶ飲みして嘔吐、飲んで嘔吐を何度も繰り返したらしい。
そしてその後、痙攣するように体を震わせてぐったりとしてしまい、目から力がなくなってしまったと。。。
変なものを食べた? 異物誤飲?
今までそんなことがなかったので、訳がわからなかった。

その日はもう掛かり付けの動物病院は診察は終わってしまっているので、夜間診察している病院を探しておいてほしいと嫁に頼んで僕は猛ダッシュで家に向った。
現場のオフィスから大崎駅まで力いっぱい走った。
電車の中でも走り出したい気持ちだった。
家に帰る途中、嫁から
〔川口で診てくれる病院が見つかった〕
とのメールが届いた。
エマの容態には特に変化はないようだった。
谷塚で電車を降りると、家までまた走った。


家には夜の10時半頃到着した。
玄関の扉を開けると、いつもと同じようにエマが玄関まで走って僕を出迎えてくれた。
嬉しそうに前足をバタバタとさせているので、
(あれ、いつもと変わらないんじゃないの?)
と思った瞬間、エマが玄関からリビングの中に駈け戻っていく。
エマの後に付いていくと、リビングに置いてあるのクレートの中に入ってゲーゲーと吐いている。
「電話した後、ちょっと落ち着いたんだけど、30分くらい前からまたこの調子で。。。」
クレートから出てきたエマはぐったりとしていた。
充血した目に力はなく、舌や皮膚は真っ赤だった。
エマはその場に蹲ってしまった。
クレートを覗いてみると、中に敷いてあるトイレシートの上に吐いた跡があったが、吐いているのはもう水分だけのようだった。

それから5分後、またエマは吐いた。
動物病院に行くためにはエマを何分かクルマに乗せなくてはいけないので、エマの状態がが少し落ち着くのを待つことにした。

その間、嫁が見つけてくれた動物病院の情報をネットで確認した。
その病院は〔どうぶつの総合病院〕という病院で、まだ4日前にオープンしたばかりだった。
診察時間は、夜9時から深夜の午前3時まで。
夜間の救急診療専門の病院のようだ。
病院の場所は川口の石神で、国道122号沿い。
川口と浦和と越谷の境目辺りか。。。道が空いていれば家から20分くらいで行けるはずだ。
しかし。。。家から然程遠くない場所にこんな救急病院が一週間前にできていたなんて。。。ラッキーだったとしか言いようがない。
「病院にはさっき連絡しておいたから。。。症状とかは伝えてあるよ。」
さすが、ウチの嫁はこういう緊急時には行動がとても早い。


15分ほど経つとエマの容態が少し落ち着いたので、夜の11時過ぎに病院に向けて出発することにした。
できるだけ無駄な衝撃が起きないよう、お偉いさんのお抱え運転手になった気分で運転した。
エマは嫁のひざの上でじぃーっとしていた。
車の中で嘔吐することはなかった。

298号から川口ジャンクションの下を右折して122号に入ってしばらく走ると、病院の看板が見えてきた。




駐車場に車を停めて、エマをスリングに入れて病院の建物に向う。




この病院の周辺にはコンビニやファミレスなどの店はまったくなくて、辺りは真っ暗だった。
暗闇の中に浮かび上がる新しい病院の照明は、希望の光のように見える。


広くてきれいな病院の待合室に入る。
待合室ののイスには、二組の犬の飼い主が座っていた。
嫁が受付を済ませるために、看護師さんが座っていた正面のカウンターに向う。
「9時頃に電話したシュナウザーの。。。」

僕はスリングに入れたエマを抱いて、イスに座った。
他の動物のにおいに反応したのか、エマがスリングから顔を出してきょろきょろと周りを見回す。
具合の悪いエマが興奮すると困るので、待合室の中にいる他の飼い主、犬からは離れた場所に移動した。

しばらくすると嫁が戻ってきた。
「20分くらい待ってくださいって。」
エマも今は吐いたりしていないので、それくらいは待っても大丈夫だろう。
「受付でね、普段はどこの病院いってるのか?って聞かれたから、アニー動物病院だって言ったんだけどね、なんかアニーの先生のこと知ってるみたいだよ。」
そうなのか、アニーの先生、この病院と何か繋がりあるのかな。。。


15分後、看護師さんに呼ばれたのでエマを連れて嫁と一緒に診察室に入った。
診察室の中には、若い女性の獣医さんがいた。
詳しいことは全くわからないけど、医療機器等の設備がものすごい。
人間の病院並みだ。

嫁が今朝からここまでのエマの様子を先生に伝える。
朝は元気だったこと、夜7時頃に帰宅したら嘔吐していたこと、その後も水を飲んで嘔吐を何度か繰り返したこと等。
「誤飲か何か悪いものを食べたかのどちらかだと思うんですけど。。。食べ物以外は口にしない子なので、多分誤飲ではないと思います。」
嫁の説明を聞いて、先生はエマの触診を始めた。
「舌や肌が赤くなっていますね。血液の検査してみましょう。多分食べ物のアレルギーだと思いますけど、念のためにレントゲンを撮ってみますね。」

検査の結果が出るまで30分から40分ほどかかるとのことなので、エマを診察室に残して嫁と一緒に待合室に戻った。


食べ物のアレルギー。。。何がいけなかったのか。。。
「今日の朝、冷蔵庫に入っていたバナナとかぼちゃをエマにあげたんだけど、あれのせいかなぁ。。。」
「私は絶対バナナだと思うよ。」
嫁からはエマにバナナを与えることに対して、何度か否定的な意見を言われたことがある。
「エマにバナナをあげるようになってから面皰も増えたしね。たぶん蓄積でこうなったんじゃないかと思うよ。
確かにバナナを与えるようになってから、エマの体には面皰が多く出るようになっていた。
バナナアレルギーか。。。
以前、
『犬に南国系フルーツを与えるのは良くない。』
という話を聞いたことがある。
個体差はあると思うけど、バナナも犬には良くないということなのか。。。
うーん、やっぱり人間と犬は違うからな。。。もっとちゃんと考えて食べ物を与えてやらなけりゃいけなかったなぁ。。。反省。。。

そんなことを色々考えていたとき、携帯電話が鳴った。
こんな時間に誰だろう。。。と思ってディスプレイを見たら、弟からの電話だった。
帰宅途中の電車の中から、弟には何度かエマの体調不良についてメールを送っていた。
弟が飼っているフレブルも、過去に何度か誤飲や急な体調不良で救急病院に運び込んだことがあったので、応急処置や救急病院についてメールでいろいろアドバイスをもらっていた。
その後、エマの様態がどうなったのか状況が気になって、電話をしてくれたようだった。
弟には、たぶん食べ物のアレルギーであること、レントゲンと血液の検査をしている最中であることを伝えた。
「大丈夫だよ、エマは。もうそらなんて何度夜中に病院に運び込んだことか。。。それでも元気だからね。大丈夫大丈夫!」
弟は電話の向こうでそう言って笑った。


いつの間にか0時を過ぎていた。
夕飯を食べていないことを思い出した。
夕飯どうしようか?と嫁に話しかけようとしたとき、看護師さんに呼ばれて、診察室に入るように促された。

診察室に入ると、獣医さんがエマのものと思われるレントゲンフィルムを準備していた。
「レントゲンで確認した限りでは、異物を飲み込んだということはないようですね。」
獣医さんはレントゲンを指差しながら、エマの体の中の状態を説明してくれた。
「最初に吐いた時から6時間以内に食べた何かが原因で、強いアレルギー反応が出たようですね。」
やっぱりバナナか……
きっとバナナが原因で起きたアレルギーなのだろう。

血液検査の結果も見せてもらった。




〔総白血球数〕〔血液濃度〕が少し基準値を超えていた。
そして、血中蛋白質の一種である〔CRP〕が大きく基準値を超えていた。
この正常な血液中にはごく微量しかないものらしい。
なので、この〔CRP〕の数値によって炎症を起こしているのかいないのかを判断することができるそうだ。
「エマちゃんはアナフィラキシーによるショックを起こしていますね。すぐに病院に連れてきてもらったから良かったんですけど、ちょっと危ない状態でしたね。」

頭の上から冷や水をぶっ掛けられた気分だった。
エマの命が危ない状態だった?
いやいや。。。いや。。。
エマが喜ぶからといって頻繁にバナナを与え続けた僕は、エマをもう少しのところで死なせてしまうところだった。
嫁の言うように、面皰が増えてきた時点でエマにバナナを与えるのを止めるべきだった。
反省。。。とにかく反省。。。

そして、先生からこの後のエマの治療について説明された。
「この後、エマちゃんには炎症を抑える注射を打ちます。それと、脱水症状があるので皮下に水分を入れてあげて、それを体に吸収させるようにします。そうすれば水を飲んで吐くということもないし、脱水症状を抑えることができるので。」
それと、今のエマの症状にはステロイドの注射が効果的だと先生に言われたが、ステロイドはちょっと怖かったので、とりあえずステロイド注射はなしにしてもらった。
皮下に水分を入れるのに30分ほどかかるということだったので、またエマを診察室に残して嫁と二人で待合室に戻った。

「やっぱりバナナだな。。。」
「うんもうバナナあげるのはやめようね。」

犬に食べさせていいもの、食べさせてはいけないもの、本やネットで調べると色々書いてあるけど、結局のところ、それも個体差があって大丈夫な犬もいればだめな犬もいる。
チョコレートやネギを食べても死なないで長生きする犬もいれば、エマのようにバナナで危険な状態に陥る犬もいる。
何が大丈夫で何がだめなのか、それを見つけてやるのが飼い主の責任だ。
僕には、その責任感が欠けていた。
これからは、もっともっとしっかりとエマの健康を考えてやらないといけない。


しばらくすると、また看護師さんに呼ばれた。
診察室に入ると、診察台の上にエマがいた。
注射を打ってもらったせいか、エマは落ち着いていて少し元気も出てきたようだった。
皮下に水分を入れたので、背中がちょっと盛り上がっている。
「今は背中が盛り上がっていますけど、これは少しずつ水分として体内に取り込まれて元に戻っていくので心配ないですから。
と先生は言った。
そして、
「アニー動物病院の先生にはこちらから診察の結果を連絡しておきます。近いうちに一度、アニーの先生にも診察してもらってください。今日、もしまた具合が悪くなってしまったら、またエマちゃんを連れてきてください。3時までは受付していますから。
と先生は付け加えた。
アニーの先生、やっぱりこの病院と何か関係があるみたいだ。


午前1時30分。
エマの診察が終わり、受付で治療費を精算する。




アニコムの負担が10,000円、そしてアニー動物病院がVISA会員ということで5,250円の割引になって、自己負担額は、28,850円だった。




保険に入っているということもあったけど、深夜に救急病院で診察・治療してもらったのに支払額があまり高額にならなくて助かった。
でも、一番大切なのはエマの健康。
これにゼロが一つ増えたとしても、僕らはエマの健康をまず第一に考えないといけない。


落ち着いたエマは、帰りの車の中でずっと眠っていた。
辛かっただろうけど、頑張ってくれてよかった。
もっともっとしっかりとした飼い主にならないといけないな。。。エマの命を責任持って守れる飼い主にならないといけないな。。。
改めてそう思わされた一日だった。

エマ、ほんとにごめんね。



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